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【打撃編】最終回:「縦スイング」を身に付けるための練習法とは?

皆さん、こんにちは!
Rapsodo Japanでは、トレーニングシーズンの特別企画として投打それぞれのプロフェッショナルの最新の理論を紹介し、現場の指導者や選手の皆さんの課題解決のヒントになる考え方を、note、YouTube、その他SNSなどで発信しています。

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打撃編の前回は、「アラボーイベースボール根鈴道場」を主宰する根鈴雄次さんに2021年シーズンにおけるオリックス・バファローズ杉本裕太郎選手の成長や、その他のプロ野球選手の打撃技術について語って頂きました。最終回となる今回は、これまで解説してきた「縦スイング」の理論を身に付けるための練習方法を具体的に紹介して頂きます。

前回の記事はこちらから↓

1. 前足ステップ

根鈴さんが最初のドリルとして紹介するのが、「前足ステップ」です。

前足をステップする場所に目印となる筒(根鈴道場ではバットにつける重りを使用)を置き、軸足に体重を残した状態で、この筒に足を触れるギリギリのところまで前足をステップしていきます。

そして、この動作を何度も繰り返します。

前足ステップ

この動作を行う目的は、体重移動による体の移動距離を少なくすることでバッターゾーンでしっかりとボールをとらえることにあります。体重を移動させること自体は間違いではありませんが、前への移動距離が大きくなると向かってくるボールと衝突することに繋がり、確実性が低くなってしまいます。

特に日本では、後足から前足への大きな体重移動を使って飛距離を出そうとするバッターが多く、これは決して良いことではないと根鈴さんは語ります。

根鈴:大事なのは自分の軸を知り、前に向かう力で打とうとしないことです。日本人にはこの打ち方が非常に多いですが、この打ち方だと前足を出した時に軸が崩れてしまいます。軸を保ったまま、体全体を動かさず足を静かに着いたところでターンするイメージです。

2. 座りスタンドティー

続いては、ボトムハンド(右打者であれば左手、左打者であれば右手)の使い方を覚えていく「座りスタンドティー」です。

まず椅子に座り、前足を45°ほど開いてオープンスタンスの構えをとり、軸足はバッターボックスのラインに対して直角に置きます。そして前足の股関節の延長線上にボールがくるようにスタンドティーを置き、高さは胸の高さにセット。

この状態から短いバット、もしくは子ども用のバットを使ってティー打撃を行いますが、この際に右打者であればセカンド方向、左打者であればショート方向にボールを飛ばすようにします。手首は返さず、肘を伸ばしたところがフィニッシュとなります。

座りスタンドティー

このドリルはボトムハンドの使い方を覚えることはもちろんですが、椅子に座ることによって、打つ時に体が前後する動きが完全にない状態を作っているのがポイントです。

また高さについては、打つべき高さ(ストライクゾーン)よりも少し高めにセットすることで、投手にとって一番球速の出る高めのボールに差し込まれた時でもバットに当てることができるようにする狙いがあります。

根鈴:座ったら動く要素がなくなりますし、また胸の位置の高さはバットが縦に入る一番の上限の高さです。ここが打てるようになると、これより低い球は簡単に打てるようになりますし、逆にこれ以上の高さはボール球です。

高めのスピードボールに刺された(差し込まれた)時でも、ちょんとバットを出して当てるための練習です。実際の打席でも、同じ距離感でやって欲しいなと思っています。

3. 立ちスタンドティー

続いては「座りスタンドティー」を応用して、ピッチャー方向に正対した状態で行う「立ちスタンドティー」です。肩の高さにボールをセットして、「座りスタンドティー」と同様に逆方向(右打者であれば左手、左打者であれば右手)へ打つドリルです。ここでも肘を伸ばしたところがフィニッシュとなります。

立ちスタンドティー

このドリルはグリップの落下を使ってスイングするためのもので、肩の高さのボールを打つための練習ではありません。あえて高めのボール球にセットすることで、バットの落下を利用したスイングをより意識づけすることが狙いです。

また投手に対して正対するのは、下半身は横の動きをさせつつ、上体は縦の動きをすることを意識づけさせることが狙いです。投手に対し正対しているとねじり戻しの力が働き、上体も横に使いたくなってしまいますが、そこをグッと我慢して上体は縦の動きをすることがこのドリルの肝になります。

根鈴:肩の高さのボールだとかなり無理があると感じるかもしれませんが、ヘッドが上から落ちてくる意識は必要です。ただし潜って下から振り上げるのではなく、ボールに対して真正面からしっかりと叩いてください。

また正面を向いた状態だと、股関節が硬かったり軸足が弱い選手には難しいかもしれませんが、そこは徐々にフィジカルを強化していけばいいと思います。

4. フロントトス

最後はこれまで行なってきたスタンドティーの応用で、5メートルほどの距離で行う「フロントトス」です。

アウトコースに来たボールを逆方向に打ち返し、手首は返さずに両肘を伸ばしたところがフィニッシュとなります。下半身は正対した状態で、 立ちスタンドティーと同様に上体が横の動きにならないように意識します。

フロントトス

根鈴:基本的に意識することはスタンドティーでやったことと同じですが、止まってるボールでは正しい動きができても、前から来るボールを打とうとすると横振りになったり、肩が開いたりします。

その辺を注意しながら、またバットの芯を長く見せることを意識しながら取り組んでもらいたいと思います。

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以上、「アラボーイベースボール根鈴道場」を主宰する根鈴雄次さんに「縦スイング」の理論を身に付けるための練習方法を具体的に紹介して頂きました。

今回お話頂いた練習方法についてもっと詳しく知りたい方は、根鈴さんの著書「MLBでホームラン王になるための打撃論」をお手に取って頂くことをお勧めします。

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打撃編は今回で最終回となります。独自の打撃論を解説頂いた根鈴さん、本当にありがとうございました!トレーニングシーズン特別企画は、和田照茂さんによる投手編の更新を引き続きお待ち頂ければと思います。

これからも、現場の指導者や選手の皆さんの課題解決のヒントになる考え方をお届けしていきます。お楽しみに!

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